バングラデシュは、豊富な若年人口と低コストの労働力、さらには政府の積極的な外資誘致策により、海外企業にとって急成長中のビジネスチャンスとなっている。スペインの小売大手インディテックス、スイスの建材企業ラファージ・ホルシム、中国のアパレル企業ハンダ・インダストリーズが、現地での事業拡大を正式発表した。
投資環境の特徴と日本企業への示唆
バングラデシュ政府は、経済特区や輸出加工区での税制優遇やインフラ整備を推進しており、企業の投資リスクを低減。これにより、製造業をはじめとした労働集約型産業の海外移転先としての魅力が増している。日本企業もコスト競争力強化やサプライチェーン多様化の観点から注目すべき市場である。
主要グローバル企業の投資戦略
ハンダ・インダストリーズは、テキスタイル・染色分野に1億ドル、アパレル分野に5,000万ドルの投資を計画し、現地生産体制の強化を図る。これは品質向上と納期短縮に直結し、グローバル供給網の効率化につながる。
インディテックスは、バングラデシュを重要な調達拠点と位置付け、調達量増加を明言。ラファージ・ホルシムは、炭素回収プロジェクトを含む環境配慮型の投資を計画し、持続可能な事業展開を目指している。
物流インフラ強化も追い風
DPワールドはチッタゴン港のコンテナターミナルに大型投資を予定しており、輸出入物流の効率化が期待される。これは、日本企業の現地生産や輸出拠点の強化にもプラスに働くだろう。
今後の投資動向とビジネス機会
バングラデシュ投資開発庁(BIDA)によれば、中国からも大規模な投資家団が訪問予定であり、さらなる資本流入が見込まれている。人口約1.7億人の巨大市場を背景に、多角的な投資拡大が予測され、競争優位を確立する絶好のタイミングと言える。
出典:Prothom Alo
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